エンバーは若いドラゴンで、火がふけませんでした。せきをすると、豆つぶほどの火花が少し出るだけです。大きなドラゴンたちは笑いました。「エンバー、ろうそくにも火がつけられないだろう」
冬の夜、エンバーは雪の中を山からおりました。四十けんの村では、どのまどもくらいです。パン屋のマーシュさんが、冷たいかまどのそばにすわっていました。「あらしで火が消えたの。マッチもぬれているわ。あしたはパンがないわ」
マーシュさんはドラゴンをこわがりません。「かまどに火をつけられる?」
「火花をせきで出すだけです」とエンバーは言いました。
「じゃあ、せきをして」
エンバーは一晩中せきをしました。夜明けにかまどが赤くなり、あたたかいパンが焼けました。マーシュさんはドアにかんばんをかけました。「エンバー、公式かまど点火係」。エンバーの火花は、ちょうどいい大きさでした。