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火をふけないドラゴン

The Dragon Who Couldn't Breathe Fire

B1 · Intermediate · 1 min read

エンバーは若いドラゴンで、火がふけませんでした。せきをすると、豆つぶほどの火花が少し飛び出すだけです。山の大きなドラゴンたちは笑いました。「エンバー、おまえにはろうそくも灯せないだろう」

真冬の夜、エンバーは雪の中を山から下りて、四十けんの村に着きました。どのまどもくらいです。パン屋のマーシュさんは六十さいの女の人で、毛布にくるまって、冷たいかまどのそばにすわっていました。「あらしが煙突から雪を吹きこんで、火を消したの。マッチもぬれていて、朝にはパンがないわ」

マーシュさんはドラゴンをこわがりませんでした。「かまどに火をつけられる?」

「ぼくには火花をせきで出すことしかできません」とエンバーは言いました。

「じゃあ、せきをして」

火花はぬれたまきの上で消えました。大きなドラゴンの火ならパン屋ごと燃えますが、小さな火花なら少しずつ育てられます。マーシュさんにかわいたかんなくずをもらい、エンバーは一晩中せきをしました。夜明けにかまどが赤くなり、村じゅうの人があたたかいパンを食べに来ました。マーシュさんはドアにかんばんをかけました。「エンバー、公式かまど点火係」。エンバーの火花は、ちょうどいい大きさでした。

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